宮司だより

宮司だより

  • 【No.399】2011.02.28
”ONE FOR ALL,ALL FOR ONE.”

この言葉は「アレクサンドル・デュマ・ペール」の『三銃士』に出てくる言葉だ。

決して世界共通のラグビーのスローガンという訳ではなく、多分1980年代に日本のラグビー製品のメーカーが使いだしたのが始まりなのではないだろうか。
(間違っていたらすみません)


ラグビー日本選手権準決勝三洋対東芝の試合の後に不惑を超えたラグビー仲間との酒を酌み交わしながらの語らいの場で友人Iの口から出た言葉なのだが、彼曰く”ONE FOR ALL,ALL FOR ONE.”は美化しすぎで、本当は”ALL FOR ONE, ONE FOR ALL.”が正しいというのだ。

つまり、チーム全員が個々のために働き責任を全うしているということが前提にないと、成り立たないというのだ。

大学時代の恩師北島忠治御大は練習の時、よく「誰であってもボールを持った者はその瞬間にキャプテンであり、自分の判断で最善のプレーをする。そして、それがどういう判断であってもチームはそれをしっかりとサポートするのだ。」と仰っていた。
ボールを持った者がもし無責任で我が侭なことばかりをして、チームの仲間から全く信頼されていない人物だとしら、これを当てはめるのはとても難しい。
まず、チームに献身的に貢献し責任を果たしているからこそ、その者の判断に全員が従うは当たり前のことだ。

美しい言葉のスローガンが一人歩きしてしまい、本質を忘れてしまうということはよくあることだ。


この友人の言葉に少し酔いが醒めた気がした。
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